「儲ける管理部門」を目指して。会社の成長を支える、縁の下の力持ち
Index
1.自己紹介をしてください
2.現在統括している事業の内容を教えてください
3.マネジメントスタイルを教えてください
4.マーケティングカンパニーの社風について教えてください
5.今後挑戦してみたいことを教えてください
1.自己紹介をしてください
大企業のシステムエンジニアから、ベンチャー企業の財務担当へ
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荻原:まずはじめに、今の役職と仕事内容を教えてください。
半田:取締役CFOとして、管理部門を統括しています。管理部門は、会社の基盤を支える縁の下の力持ちのような存在で、経理財務、法務、総務、人事などが属しています。会社が上手く回っていくための潤滑油のような役割ですね。
荻原:半田さんの現在までのキャリアを教えてください。
半田:キャリアのスタートは、マイクロソフト株式会社でのシステムエンジニアでした。そのあと、マーケティングや経営企画を担当しました。社会人人生の後半は、ベンチャー企業に入って「バックオフィス部門をどう回していくか」に費やしてきましたね。
荻原:幅広い職種の経験をされてきたのですね。マイクロソフト社には、誘われて入社されたとお聞きしています。
半田:はい、そうです。もともとパソコンが好きだったので、誘ってもらい、最初はアルバイトで入りました。そのまま就職した感じですね。
荻原:マイクロソフト社というかなり規模の大きい企業から、ベンチャー企業に行く選択をした理由を教えてください。
半田:正直に言うと、大企業にいてもおもしろいことが少なくなってきたんですよね。マイクロソフト社での最後のチャレンジは、ゲーム機を作ることでした。ビジネス的には厳しい状況でしたが、おもしろさを感じて取り組んでいました。ですが、大企業だと、お金にならないと優先順位が下がっていくんです。大企業の中にいるより、少人数のベンチャー企業の中で好きなことをやる方が楽しそうだと考えるようになりました。それで株式会社ユビキタスに転職しました。
荻原:そうなんですね。当時、何人が在籍していたんですか?
半田:15人くらいです。全員が一つの会議室に入れる規模なんですよね。なので、何かお祝い事があるときには、社長がおやつを買ってきて皆で楽しく食べていました(笑) でも、やるときには一所懸命やる。そういった空気がとても魅力的でしたね。
荻原:ユビキタス社は2007年、「ジャスダック証券取引所 NEO」へ上場しました。半田さんが転職された頃から上場を考えていたのでしょうか?
半田:そうですね、狙っていましたね。それで、法務や経営企画の手伝いをしてから取締役CFOになったんです。会計の勉強は、手伝いをしながら学んでいきましたね。ほとんど知識を持っていなかったので。
荻原:すごいですね。上場を経験した後、ヤフー株式会社に転職されたんですよね。どんな理由があったのでしょうか?
半田:大きく分けて二つあって、一つは、若手と仕事をしたいと思っていたからです(笑) ユビキタス社にいたときは意外と平均年齢が高かったんですよね。二つ目は、Web関係の仕事に携わりたいと思っていたからです。ずっとソフトウェア畑にいたので。この二つを軸に考えていところ、偶然ヤフー社に知り合いがいたのを知って転職を決めました。
荻原:メディアや広告事業領域の財務全般を統括されていたと思うのですが、今の仕事内容とは異なりますか?
半田:そうですね。ヤフー社にいた頃は、「守り」というより「攻め」の色合いが強かったですね。毎年とんでもなく大きい額の予算が上層部から降りてくるんです。それをどうやって達成していくかを四苦八苦しながら考え、着地を見出す、というのをしていました(笑)
荻原:ものすごいスピードで成長を遂げているときでしたよね。
半田:本当にすごかったですね。毎年、売上を100億円ずつ積んでいくんです。そうすると常識的に考えて、月10億円の純増(笑) こんなことは大企業でもなかなかないので、良い経験になりました。
2.現在統括している事業内容を教えてください
成長意欲の高い中小企業を支援していきたい
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荻原:ソウルドアウトが属している市場についてはどのように見ていますか?
半田:伸びしろがあると思っています。中小企業と言っても、二つあるかなと思っていて。ソウルドアウトがご支援させていただいているような「成長意欲があって、どんどん売上を伸ばしたいと考えている会社」と、そうではなく現状維持でいいと考えている会社。企業の成長に対する考え方や、そのフェーズによっても違ってくるとは思いますね。前者を応援していくことは、今後の日本経済を考える上で非常に重要だと感じています。
荻原:ソウルドアウトの理念である「地方、中小・ベンチャー企業を支援したい」という想いに共感する原体験があるのでしょうか?
半田:実は、私の実家では雑貨問屋を経営していたんです。ですが、父親の代で店をたたむことになってしまって。中小企業の経営の大変さを、小さい頃に身をもって知りましたね。今一所懸命頑張っている中小企業の経営者さんを助けたいという想いは強く持っています。
3.マネジメントスタイルを教えてください
自分で考え行動したことには、失敗しても全く問題ではない
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荻原:半田さんは、メンバーを褒めて育てますか?それとも厳しく叱って育てますか?
半田:褒めて育てますね。厳しく叱るのは、失敗したときよりも、道理にかなっていないことをやったときです。一生懸命やって失敗しても全く問題ありませんし、チャレンジしてみて上手くいけばよかったね、というスタイルです。
荻原:半田さんが統括している組織はボトムアップでしょうか?トップダウンでしょうか?
半田:基本的にはボトムアップが理想ですね。自分で考え行動し、アウトプットを出す。「AかBか」まで出てきたら判断しますが、そこに至るまでは積み上げてほしいですね。
荻原:そうなんですね。正直、管理部門はトップダウンなのかと思っていました。仕事の進め方はチームワークを重視しますか?それとも個人主義ですか?
半田:管理部門なので専門家を重用する場面はあるのですが、仕事はチームワークで進めていきます。一人でできることには限界があるので、自分の得手不得手を理解し、チームとして最も良い結果を出すことが大事ですね。
荻原:メンバーに期待していることを教えてください。
半田:管理部門のメンバーには、それぞれの専門性を磨いてほしいと思っています。それは、すなわち、社外でも評価される人間になってほしいということになります。ソウルドアウトの中では上手く泳げるけれど、外に出たときに役に立たないともったいないので。外に行っても活躍できるよう、技の磨きこみをしてほしいです。
4.SOの社風について教えてください
地方、中小企業のことを第一に考える人間の集まり
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荻原:ソウルドアウトに入社してみてどんな印象をお持ちですか?
半田:一番いいのは「人」ですね。「類は友を呼ぶ」ではないですが、集まっている人間の気持ちが皆ストレートというか。清々しいし、仕事をやっていても楽しい。人間関係で苦労することはありませんね。
荻原:ありがとうございます。純粋で熱い想いを持った仲間が集まっていますよね。
半田:500人くらいの規模の会社になると、変な政治とかが出てきてしまうんですよね(笑) でも、ソウルドアウトにはそれがない。皆が地方や中小企業のことを第一に考えているからであり、会社の強みだと思います。ビジネス的に考えると、ちょっと想いが強すぎじゃないか、と感じることもあるくらいです(笑)
荻原:では、ソウルドアウトの改善点は何だと思いますか?
半田:想いが強いがゆえに目先の部分に一生懸命になって、かなりのリソースを割いてしまっているところ。ソウルドアウトの良い点の裏返しでもありますね。一歩引いて将来の全体像を俯瞰し、「どういう形にしていきたいのか?」を一人ひとりが考えられるようになるといいと思います。
5.今後挑戦してみたいことを教えてください
AIの導入で「儲ける管理部門」を目指す
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荻原:半田さんが仕事をする中で、嬉しかったことを教えてください。
半田:管理部門に対して、営業側が理解を示してくれたときは嬉しかったですね。管理部門は、ともすれば煙たい存在になりかねないんです。ですが、「管理部門が言うならやってみよう」と営業側が対応してくれたことがありまして。そうやって快く協力してくれるときは、すごく嬉しいですね。
荻原:反対に悔しかったことはありますか?
半田:業績数字の見通しが上手くいかず、数字が落ち込むときの気付きが遅れたことです。いろいろ手を打てたはずなのに、他の業務に追われてなかなか思い通りに進められませんでした。悔しかったですね。
荻原:法則を見つけてアルゴリズムを作れば、数字の上下の動きを早めに掴めそうですね。
半田:そうなんですよ。数字の変化にいち早く気付いて事業側に認識してもらう、というのが、過去2年間くらいで、もう少し上手くできたのかなと思ったことはありましたね。
荻原:今後挑戦してみたいことを教えてください。
半田:最強の管理部門を作っていきたいです!AIも導入されるようになると思うので、過去の管理部門の在り方とは変わってくると思います。
荻原:仕事の仕方そのものが変わってくるでしょうね。
半田:人間がやることと、機械に任せてしまうことが分かれてくると思います。人数は多くなく、労力も大きくなく、でも大きな成果を出す、という次世代の管理部門を作りたいですね。上手く回るようになれば、「儲ける管理部門」にもなれると思います。
荻原:分かりやすいビジョンですね!ではこれまでのキャリアを振り返ってみて、成長する上では、何が大切な要素になっていましたか?
半田:修羅場の経験ですね。後に自分の血肉になるのは、平常運転のときの経験ではなく、苦しい状況で必死にもがき決断をしたときの経験だと思うんです。例えば、新型コロナウイルス感染症への対応など、前例がない中でどのように対処していくのか。一つひとつの決断が成長に繋がっているような気がしています。
荻原:分かります。修羅場を経験すると、度胸もつきます。
半田:そうですね。日々の仕事の中でも、小さな修羅場はいくつもあると思います。例えば、上司から言われた仕事が溜まって、どこから優先順位を付けていけばいいのか分からないとき、どうやってしのいでいくのか、とか。そういった経験の積み重ねが大事だと思いますね。
荻原:今後、管理部門がさらに成長してくために、どんな打ち手を考えていますか?
半田:一人ひとりの深さと広さを両方備えていく、ということが重要だと思っています。管理部門は、それぞれの領域に深く潜っていきがちなんです。しかし、会社で仕事をする以上、横が見えていないと仕事は上手く回っていかないんですよね。なので、専門性を深めつつ横も見て、広い視野で仕事ができるよう、見守っていきたいと思います。