Kazuki Takada

チャンスを活かして得た視点とは? 経営者と同じ視座で伴走し成長を目指す

中小企業の未来を創るというビジョンに共感

ソウルドアウトグループとの出会いには運命的なものを感じています。大学時代に金融資産の運用で有名な社長が定期的に開く学内講義に参加していたときのことです。講義自体ももちろん面白いのですが、その社長が投資家目線で注目している別会社の社長を招待・対談し、学生達も議論に参加するスタイルの回が特に私は好きでした。そこで出会ったのがゲストとして招待されていたソウルドアウトの創業者、荻原さんでした。登壇時に語っていた理念や価値観は、今まで出会った起業家の中でも群を抜いていました。また、経営者というよりは日本の中堅・中小企業の未来を想う卓越したビジョナリーな方だと感じました。
私の祖父は小さな会社を起業し、二代目として父も経営を承継していたのですが、私が小学生の時に倒産。家計的に苦しくなったのはもちろんですが、「将来は自分が受け継ぐ」と思っていた会社が突然無くなったことは、精神的にも大きなショックでした。この経験から「何か中堅・中小企業を支援することができないか」と思い就活をしていたため、迷わずソウルドアウトグループの選考をうけ、入社することを決意しました。

経営の課題、経営者の実像に迫れるチャンス

入社2年目の夏、上司から「M&Aサービスを行う会社へ出向してみないか?」と打診を受けました。M&Aサービスとは、一定の条件と企業間が合意したスキームで合併、買収を支援するサービスです。当時の私は、買い手と売り手の両社の経営層とがっちり話し合えることに魅力を感じ、リアルな課題や様々なことを学べるチャンスだと思い、出向を願い出ました。
M&Aと一口に言っても、譲渡側の企業の課題は様々。承継者不足のためにやむなく事業売却を検討する経営者様もいれば、事業成長のために大手と組むことが必要だと考えて売却を検討する成長戦略型のM&Aもあります。それらの内容や金額条件、M&A後の従業員の雇用条件などを整理し、最適な譲受企業を探す必要がありました。その過程では、譲渡企業の経営状態などについても踏み込み、赤裸々に経営者様と話し合い、交渉を進めていく必要があったのですが、そのためには絶対的な「信頼」が欠かせません。
1年間の出向期間中に、2社のオーナー社長様から他社への譲渡の決断をいただき、М&A成立へ向けた相手探しを任せていただきました。対話を重ね、長年トップで経営をされてきた会社への想いと未来を任していただいたときには、嬉しさと同時に気が引き締まる思いでした。

M&A業務で磨いた成長する企業の目利き

出向を終えてソウルドアウトグループに戻った当時は、お客様のデジタルマーケティングの支援を行っていました。運用データを基に既存のお客様の成果をあげる提案や、新規のお客様のマーケティングプランを立案していました。
ご支援をしていく中で、成長意欲の高い企業にはいくつかの共通点があることに気がつきました。1つは、経営者がデジタルマーケティングの効果を理解し、投資をする意思決定力を持っていること。もう1つは、長期的な視点で出口戦略までしっかり考えている経営者がいることです。これらを兼ね備えている企業は非常に成長ポテンシャルが高いということをM&A業務を通じて学ぶことができました。デジタルマーケティングだけでなく、より高い視座から物事を見ることができるようになったのは、私自身大きな成長だと感じています。

お客様のPLはマーケティングの成績表

M&A会社に出向したことで、企業経営の根幹をなす財務に関する知識を得ることもできました。私たちが提供していたマーケティングは、財務諸表で言えば販売費。つまり「費用」です。一方、その結果として得られる売上高が「収益」。そして「収益」から「費用」を差し引く損益計算で出た数字が「利益」となります。つまり私たちの仕事はPL(損益計算書)で厳密に評価されるものでした。
だからこそ、あやふやな根拠を基に提案するのではなく、データを分析し、限りなく確実で効果の高いマーケティングをお客様に提供しなければなりません。さらに、その成果は、BS(貸借対照表)にも表れ、最終的には企業価値として評価されるため、中堅・中小企業の持続的な成長を真に支援するためにも、出向で培った経験と知識は大きな財産になりました。

価値共創から成果創出へ。地方から育てる新たな柱

2024年4月からグループ全体の経営戦略を立てる経営企画室へ配属となり、新規事業開発をミッションに掲げ、インバウンド事業の立ち上げや地方創生ファンドへの出資検討を進めています。加えて兼務するCOO室では、北海道の中堅・中小企業に向けたAI利活用の推進や、アンドデジタルのAIサービスのセールス活動にも取り組んでいます。
現在の挑戦を一言で表すと「新しい価値を共創し、お客様に届け、きちんと成果につなげること」。単なる美談で終わらせず、実利まで結びつけることにこだわっています。地方企業の課題は、資金調達から海外販路の構築、生産性向上まで多岐にわたり、単発の施策では解決できません。だからこそ、ソウルドアウトグループの強みを磨きつつ、足りない部分はパートナー企業と連携し、お客様にとって最適な方法で価値を提供することに挑んでいます。
新規事業の型をゼロから作り上げる過程は大きなやりがいであり、これまで培った経験や知見を総動員しても全然足りていないのが現状です。だからこそ、常に学び続けられる環境にワクワクしています。
今後はインバウンド事業を立ち上げに向けて、新しい販路の構築と収益性の改善の両輪を回し、ソウルドアウトグループの新たな柱となる事業へ育てていくことを目指します。